『kazoku』
『味覚鍛錬の会~水編~』
『もっと見ろ。事も無げに。(2015)』
『kazoku』
伊藤拓也
1980年岐阜市生/大阪府吹田市在住。2004年大阪外国語大学外国語学部地域文化学科北米地域専攻卒業。『味覚鍛錬の会』、『平日は妻と英語』などの私的ワークショップを日常的に行い、手の届く範囲で劇との邂逅を望む。俳優の在り方、演出家の在り方を生活の延長線上で考え続けている。
大学卒業から2010年までFrance_panという劇団を主宰、劇の在り処を探し、作品毎に異なる実験的な創作活動を続けた。France_panとしての最終公演となったF/T10公募プログラム参加作品『ありきたりな生活』の京都公演は、演出家自ら終始舞台上の出来事を高みから眺め、俳優たちへの愛憎半ばした赤裸々な想いを即興的に語り続ける舞台となった。2009年、俳優へのインタビューから構成された『点在する私』(京都舞台芸術2009参加)以降、俳優の在り方、演出家の在り方を生活の延長線上で考え続ける。5年程の休止期間を経て、2015年、仙台にて『もっと見ろ、事も無げに。』構成・演出。中学二年生から八十三歳まで三世代に渡る俳優七名が、演出家から出された36の質問に淡々と答え続けた。同年、京都にて岸井大輔作『記憶の再生』構成・演出。ダンサーと俳優による身体/言葉による想起の探究を行った。2016年、ZOMBIE 4months Creationを企画、演出家と同等に劇を思考できる俳優育成を目指す。4ヵ月に渡るワークショップのショーイングとして、女性俳優の一人舞台『人となり』を構成・演出。俳優の存在意義を突き詰めた結果、俳優が声に成り果てる幽玄な舞台となる。2017年、大阪大学総合学術博物館主催「記憶の劇場」に於いて『1995年1月17日のAM神戸を朗読する』を演出。当時のラジオをそのまま文字起こしされたテキストを声に出す事で、読み手は震災と新たに出会い直すが、真の意図は観客と演者の相互作用、媒体としての俳優の存在を考察する事にある。
上演戯曲:
「演劇は面白いものです」
演出・構成・出演:
伊藤拓也
調査・発掘、評価・発信